ABOUT SHORT STORY
Cladle・Snake &Shadow・Intersection
ショートショートの練習という事で留意点等を書いておきます。





目標としては、テーマや全体の構成を決めずに始めて、ストレートに感情に伝わる物にすること。

まず装丁の仕事は表紙で掴まなくてはならないので、密度や著者の世界感を描いて行きます。

反対にショートショートは余計な物を削ぎ落としてどこまで表現できるかを課題とした。
また、言葉でテーマを表現せず、流れを味わって貰うこと。言葉で表現できることは描かないことなど。

この様に始めてみて途中で判ったのは、私は甘ったれの依存症で客観性はあまりないということだった。

しかし描いていくうちに、次第に客観性が出て、同時に自分を出せるようになって行った。また、「もがきつつも自助努力が見られるので思った程依存的には見えない」という意見もあった。

色々な意見等も総合してみると、Snake & Shadow1枚目ラストIntersectionの1枚目は上手く行った。


Snake & Shadowの1枚目】

ナイフの切っ先が風を切って跳んで行く感じ。
余計な物はなく、鋭く、速い感じ。
Cladleの3枚目も走っているので、違いを出したかった。出せた。

少女の姿をしているがこれはナイフ。


【Snake & Shadowの3枚目】

好き嫌いが分れたが、一番やりたかった部分。
睦言…街を焼き、人を殺めるという言葉の中味のなさ、駄々をこね、子供のように甘ったれる女の感じが描きたかった。

台詞がテーマではなく、睦言のとりとめのない感じを出すこと。

Snake & Shadowの最後】

一回終ってから、どうしてもひっかかったので一気に描いた。
これも特に深い意味を考えた訳ではないが、スッキリしたのと、気に入る人が多かったので良かった。構成やラストを決めないで絞り出す方法で良かったと思う。

Intersectionは途中で止めた部分の続きが最初「絶望した」>「他人との信頼という絆を選んで行った」というメモがあったが、優等生的解答に思えたのでやめた。形骸化した言い方に思えるし…実感ともズレているので、表現方法を変えた。

【Intersectionの一枚目】

あれこれ悩んで色々メモを取って整理して行くうちに描けた。Intersectionは殆どこの一枚が全てかも…。

世界観やスタンスの決定、ライン引きが出来るようになった感じ。これがないと見る側も困る。

これが性的な快楽を中心にした娯楽で、直截描写ではなくファンタジー的表現方法を取っていることなどが一枚で出せたので良し。


反省点としては、遠慮して描かなかった部分があること。描けば良かったかも知れない。
といっても直截表現云々ではなく(例えばキスシーンを描くなど…)…そこがモヤモヤした為にやや歯切れ悪さが残ったかも。…描きかけてはいたのだが、丁度その時、「ユーモアが物語には必要」というのが流行っていた?のでやめました。

ユーモアが出て来るのは、必要ではなく必然ではないだろうか?商業的にはどうか判らないが、ここではそういう事はしたくありませんでした。

物語として足りない部分は多々あると思うが、まず 全体に、自分をどの程度出せるかが課題であって、不快でない範囲では出せていた。 また、悩んで止まった後に感覚で一気に描いた物の方が印象に残ったようだ。


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